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K.Humer*; H.W.Weber*; E.K.Tschegg*; 江草 茂則; R.C.Birtcher*; H.Gerstenberg*
Advances in Cryogenic Engineering Materials, Vol.40, p.1015 - 1024, 1994/00
補強材繊維(E-,S-,T-ガラス)、補強材クロスの織り方(2次元、3次元織り)、及びマトリックス樹脂(エポキシ、ポリイミド)の異なる6種類の高分子複合材料に対し、その機械的性質に及ぼす放射線損傷の影響を調べた。これらの高分子複合材料に2MeV電子線(最高1.810Gy)、Co-線(最高1.810Gy)、及び、高速中性子(最高510n/m、E0.1MeV)を照射したのち、77Kで引張り試験と層間せん断試験を行った。一部の試験片に対しては、5Kで中性子照射したのち室温まで昇温することなく77Kで機械試験を行った。その結果に基づいて、高分子複合材料の放射線劣化挙動に及ぼす放射線の種類の影響、照射温度の影響、及び、昇温サイクルの影響について比較・考察を行う。
K.Humer*; H.W.Weber*; E.K.Tschegg*; 江草 茂則; R.C.Birtcher*; H.Gerstenberg*
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.849 - 853, 1994/00
被引用回数:7 パーセンタイル:56.56(Materials Science, Multidisciplinary)高分子複合材料の機械的性質に及ぼす放射線損傷の影響を3つの観点から調べた。第1の観点は、引張り強度の耐放射線性に及ぼす放射線の種類の影響である。第2の観点は、極低温(~5K)で照射された試験片を一旦室温に昇温したときとしないときの劣化挙動の比較である。第3の観点は、種々の高分子複合材料の耐放射線性の比較である。その結果、3次元強化のビスマレイミド複合材料は、すべての照射条件下において、最も高い耐放射線性を有することが分かった。
江草 茂則
放射線化学, 0(55), p.13 - 22, 1993/00
核融合炉用超電導磁石中で使用される高分子複合材料の機械的性質に対する放射線照射効果に関して、著者のグループによる1983-1991年の研究成果をレビューする。このレビューでは、室温或いは5KでCo-線及び中性子を照射されたのち、77K、4.2K、及び室温で試験されたガラス繊維強化高分子複合材料の機械的性質について解説する。その実験結果に基づいて、複合材料の放射線劣化機構を提案するとともに、複合材料の種類、試験温度、放射線の種類、及び照射温度等の影響について考察する。
江草 茂則; 杉本 誠; 中嶋 秀夫; 吉田 清; 辻 博史
Advances in Cryogenic Engineering, Materials, Vol.38, p.247 - 254, 1992/00
高分子複合材料の77Kでの機械的性質における耐放射線性に関し、補強材の種類、試験片の厚み、及び照射雰囲気の影響について検討した。EガラスとTガラスクロスの複合材料に関する限り、これらの因子は複合材料の耐放射線性にはほとんど影響しないことが分かった。この結果は、高分子複合材料の劣化挙動はマトリックス樹脂の破壊歪の照射による変化によって事実上支配されるという劣化機構と一致している。高分子複合材料そのものの耐放射線性に加えて、高分子複合材料とステンレス鋼との間の接着強度に対しても耐放射線性の評価を行った。その結果、この接着強度の耐放射線性は、複合材料/鋼界面における荷重伝達モードに依存するらしいことが分かった。
江草 茂則
Proceedings of the International Conference on Evolution in Beam Applications, p.763 - 767, 1992/00
核融合炉用超電導磁石の電気絶縁材料として使用される高分子複合材料の放射線劣化挙動を中性子照射とCo-線照射とで比較した結果、同一の吸収線量に対する劣化の程度は中性子の方が線よりも1.8-2.6倍も高いこと、複合材料内におけるエネルギー付与の微視的空間分布は線照射では均一であるが中性子照射では不均一であること、さらに、中性子照射ではEガラス繊維中でのB(n,)Li反応により発生するとLiの反跳粒子により複合材料の劣化が加速されることが明らかになった。これらの事実は、高分子複合材料の中性子照射効果を加速器からのイオンによりシミュレートすることはかなり難しいことを示している。従って、イオンによるシミュレーション照射は、高分子複合材料のマトリックスとして使用される樹脂単体に対して行なうのが賢明である。
江草 茂則; 杉本 誠; 中嶋 秀夫; 吉田 清; 辻 博史
SMiRT 11 Transactions,Vol. L, p.301 - 306, 1991/08
核融合炉用超電導磁石中で使用される有機複合絶縁材料として有望なTGDDM/DDSのエポキシ母材の高分子複合材料に対して、その耐放射線性に及ぼす補強材の種類、試験片の厚み、放射線の種類、及び照射雰囲気等の影響について検討した。補強材の種類に関しては、ボロンを含むEガラス繊維でもボロンをほとんど含まないTガラス繊維でもその高分子複合材料の線に対する耐放射線性はほとんど同じであることが分かった。この結果は、中性子照射を受ける核融合炉用超電導磁石では、Tガラス繊維の高分子複合材料を使用すべきであることを示している。実際の超電導磁石では、有機複合絶縁材料とステンレス鋼との界面における接着強度も重要な因子であるので、この界面強度の耐放射線性についても報告する。
江草 茂則
Cryogenics, 31, p.7 - 15, 1991/01
被引用回数:6 パーセンタイル:49.06(Thermodynamics)マトリックス樹脂としてエポキシ及びポリイミドを用い、ガラス繊維補強材の種類や試験片の厚み等が異なる16種類の高分子複合材料を試作した。これらの複合材料を空気中又はアルゴン中でCo-線又は2MeV電子線を照射したのち、77Kで3点曲げ試験を行なった。その結果、マトリックス樹脂が同一の場合には、高分子複合材料の放射線劣化挙動は補強材の種類や試験片の厚みにはほとんど依存しないことが分かった。この結果は、高分子複合材料の劣化挙動はマトリックス樹脂の破壊歪の照射による劣化によって事実上支配されるという、既に我々が提案している劣化機構と一致している。また、放射線の種類(線、電子線)や照射雰囲気の差(空気中、アルゴン中)は、高分子複合材料の劣化挙動に本質的な差は生じないことも明らかになった。
江草 茂則; 藤村 卓
インテリジェント・マテリアル, p.195 - 206, 1991/00
次世代の材料として期待されているインテリジェント材料(環境条件に知的に応答し、機能を発現する能力を有する新物質・材料)の応用分野の一つとして原子力や航空宇宙等の極限環境分野を取り上げ、将来この分野で使用されるインテリジェント材料を開発するための基盤技術の現状と発展の方向性について概説した。先端高分子複合材料等の母材中に圧電材料、形状記憶合金、光ファイバ、電気粘性流体等の機能性材料を埋め込み一体化することにより、センサ機能とアクチュエータ機能とを有するスマート材料を創製しようとする研究の幾つかを紹介する。現時点におけるこれらのスマート材料は、厳密な意味ではインテリジェント材料ではないが、将来インテリジェント材料に発展しうる有力候補の一つである。
江草 茂則; 瀬口 忠男
Journal of Nuclear Materials, 179-181, p.1111 - 1114, 1991/00
被引用回数:3 パーセンタイル:40.8(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉用超電導磁石の構造材料および電気絶縁材料として使用される高分子複合材料に対し、Co-線を照射したのち77kと室温で機械試験を行なった。その結果、曲げ強度の吸収線量依存性は、複合材料の種類(補強材繊維とマトリックス樹脂のくみ合わせ)のみならず試験温度にも依存し、一見極めて複雑である。しかし、複合材料の破壊ひずみとマトリックス樹脂の破壊ひずみとの間には明らかな相関関係が見出され、この事実から、複合材料の曲げ強度に対する耐放射線性はマトリックス樹脂の破壊ひずみに対する耐放射線性によって支配されることが結論される。一方、複合材料の層間せん断強度の吸収線量依存性は、補強繊維と試験温度にのみ依存し、マトリックス樹脂にはあまり依存しない。この事実は、層間せん断強度に対する耐放射線性は、複合材料中の繊維とマトリックスの界面強度の耐放射線性によって支配されることを示している。
江草 茂則; 瀬口 忠男; 川上 和市郎
Proc. of the 5th Japan-U. S. Conf. on Composite Materials, p.479 - 486, 1991/00
核融合炉用超電導磁石の構造材料および電気絶縁材料として使用される繊維強化高分子複合材料の機械的性質に及ぼすマトリックス樹脂の硬化状態の影響について検討した。その結果、複合材料の機械的性質は、室温では樹脂の硬化状態にほとんど依存しないが、77Kでは著しく依存することが分かった。次に、この複合材料にCo-線を照射したのち77Kと室温で機械試験を行なった。その結果、機械強度の劣化挙動は試験方向(縦糸方向域は縦糸と横糸の45゜方向)に依存するばかりでなく、複合材料の種類(補強材料繊維とマトリックス樹脂の組み合わせ)と試験温度にも依存し、極めて複雑であることが分かった。本報告では、これらの一見複雑な劣化挙動をすべて統一的に説明できるモデル化についても検討する。
江草 茂則; 瀬口 忠男; 萩原 幸; 中嶋 秀夫; 島本 進; M.A.Kirk*; R.C.Birtcher*
Radiation Effects on Polymers, p.591 - 608, 1991/00
核融合炉用超電導磁石中で使用される高分子複合材料の機械的性質に対する放射線照射効果に関して、著者らによる1983年以降の研究成果をレビューする。このレビューでは、室温或は5KでCo-線及び中性子照射されたのち、77K、4.2K、及び室温で試験されたガラス繊維強化高分子複合材料の機械的性質について紹介する。その実験結果に基づいて、複合材料の放射線劣化機構を提案するとともに、複合材料の種類、試験温度、放射線の種類、及び照射温度等の因子について考察する。
江草 茂則
Radioisotopes, 40(9), 59 Pages, 1991/00
核融合炉用超電導磁石の電気絶縁材料として使用される高分子複合材料の機械的性質における耐放射線性と劣化機構について、1988年以降の文献を一括レビューした。主として、原研高崎研の研究成果を紹介したが、他に、大阪大学、NASA、及び米国のComposite Technology Development社の研究成果も紹介した。
江草 茂則
J. Mater. Sci., 25, p.1863 - 1871, 1990/00
被引用回数:19 パーセンタイル:69.4(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉用超電導磁石の構造材料および電気絶縁材料として使用される繊維強化と高分子複合材料に対し、Co-線を照射したのち77Kと室温で機械試験を行なった。その結果、機械強度の劣化挙動は、縦糸方向(0゜方向)に試験した場合と縦糸と横糸の45゜方向に試験した場合とでは本質的に異なり、異方性を有することが分かった。加えて、この機械強度の劣化挙動は、複合材料の種類(補強材繊維とマトリックス樹脂の組み合わせ)のみならず試験温度にも依存し、一見極めて複雑である。しかし、0゜方向強度はマトリックス樹脂の破壊ひずみによって支配されている曲げ強度であり、一方、45゜方向強度は繊維とマトリックスの間の界面強度によって支配されている層間せん断強度であることを考慮してモデル化を行うと、この一見複雑な劣化挙動をすべて統一的に説明することが可能となる。